Creator interview
後藤真由美 – 登録クリエイター・インタビュー第一弾
グラフポート横浜(GY)登録クリエイター・インタビュー第一弾は現代日本画家の後藤真由美(MG)さんです。
GY》後藤さんと“ヨコハマ”のかかわりや印象、エピソードからお聞かせください。
MG》現在は神奈川県平塚市にアトリエ兼自宅を構えており、以前は美術館協議会の委員も務めましたが、子供の頃に港南区から転居しました。
現在は横浜市の朝日カルチャーセンター・横浜教室で講師もしているのでルミネ横浜の同フロアにある世界堂・横浜店で新しい画材を物色しています。
GY》日本画だけでなく、アクリルや水彩も描かれていますね。
MG》はい。Healthy mates(ヘルシーメイツ):株式会社白寿生科学研究所発行の表紙は水彩画です。
今春からOffice GOTO事務所を東京・渋谷区に設立したため、専門店でしか手に入らない胡粉や岩絵の具はスタッフに都内で購入してもらいますが、それ以外は横浜で自ら入手しています。
先月までヨコハマトリエンナーレも開催されていましたし、芸術都市のイメージも強いですね。
GY》アートを楽しんで、オシャレな内装の店舗で美食、特に中華をはじめとする各国のメニューは、国際都市“ヨコハマ”の名物です。
MG》この写真は昨秋パリでの食事を撮影しました。しかし美食で知られるリヨンのほうがリーズナブルで、味つけも私の舌にあっている気がしました。
リヨンは横浜と姉妹都市だけあって風情がある。利便性ではパリに軍配は上がりますが、歳を重ねてから住むのであれば落ち着いたリヨンも良いですね。
GY》背景の建物はポンピドゥー・センターですね。フランスに行かれたのはプライベート、それともビジネス?
MG》2017年フランスの製紙メーカーCANSON(キャンソン)社の初代日本アンバサダーを務めていた為、リヨン本社と所有する美術館にも招待していただきました。
現地を視察してもうすぐ一年になりますが、あらためて振り返ると貴重な体験だったと思えます。
GY》具体的には、どんなところが勉強になりましたか?
MG》世界各地域にファインアートペーパーを輸出しており、各国に私同様アンバサダーが存在します。それぞれ気候や風土、伝統に基づく技法や絵の具の成分にも違いがあるわけですから、紙の製法も当然異なります。
近い将来日本画を欧州で描きたい自分にとって、その違いについてのレクチャーを受け、紙漉きを間近で見れたことは大きな財産になりました。
パリでは老舗の画材店SENNELIER(セヌリエ)を訪問し、セヌリエ氏と面会しました。1887年創業で、印象派の巨匠やピカソも愛用していたそうです。
GY》有意義な時間を過ごされたのですね。今年も渡仏する予定が新型ウィルス感染拡大でキャンセルされたとうかがいました。
MG》EU域外からの入国も可能になった時は、「年内に行けるかも?」と淡い期待を抱いたのですが、仏独に続き英国と欧州主要国が再びロックダウン。
ライブペインティング等の企画は、すべて来年以降に持ち越しとなりましたが、結果としては国内で創作に専念できていると前向きに捉えています。
GY》プロフィール・テキストでもふれていますが「旅」をしながら屋外で制作するスタイルですね。
MG》はい。春先は車による長距離移動で、人との接触を極力回避しました。
外食も控え、同行スタッフと自炊を心掛けました。
パリの文化財団御所望の作品は10月28日の会期初日に間に合わせたのですが、同日から運営する博物館が閉鎖され、市内郵便局から日本に送り返されることになりました。
ハンガリーから送り返されたのは3月のロックダウンの時。もう
四月に延期とメールをいただいており、欧州での展示やコレクションは収束後まで気長に待つことにします。
来年の個展に向け、描くことにのみ集中します。
GY》来年の個展会場も“ヨコハマ”ですね。成功をお祈りします。
MG》有難うございます。会場は横浜そごう美術画廊で2月23日からです。
今年できなかったぶん、後藤の個展では最も大きな展示スペースでの開催となります。初めて百貨店での個展が実現した忘れられない場所ですから、ヨコハマで一番思い出深い場所はココですね。
発表するのは日本画ですが、アクリル、水彩など自身が考案したものも含め習得した技術とアイディアを日本画に活かした新たな後藤の表現とスタイルを是非多くの方に観ていただきたいですね。
Post date: 2020.11.03
Categorised in: Creator interview
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